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対面営業をデジタル化し、ECサイトへシフトするための手法

対面営業をデジタル化し、ECサイトへシフトするための手法

対面営業をデジタル化し、ECサイトへシフトするための手法

コロナで営業担当者の働き方が変わる

今、日本のみならず世界中の企業が売り上げ低迷に喘いでいます。最も直接的なのは、飲食店やイベントホールなどの多くの顧客を集客し、サービスを提供する企業ですが、製造業などのBtoB企業も営業活動等の自粛を迫られ、新たな動きが取りにくい状況だと思います。

このような状況における、経営課題は下記の様なものが上げられるのではないでしょうか。

特に課題①にある「対面販売による営業活動ができない」が、最も大きくのしかかる課題だと思います。また、大きく落ちてしまうであろう売り上げに対して、課題②にあるような新たな収入源を見つけることも難しいですし、アナログな企業活動、特に営業活動をデジタルにシフトしようにも、課題③のように、どこから始めればいいのかが分からないと言う声も多く聞きます。

今回は、このような課題に対して、どのようなことを考え実施していけばいいのかをお話したいと思います。

課題① 対面販売による営業活動ができない

製品やサービスを取り扱っている企業の殆どは、顧客企業の担当者へ出向き、商品の説明や価格、納期などの説明を行ったうえで販売へと繋げています。今回の新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言によって、顧客企業への訪問が難しくなり、営業担当者もどのように対応すればいいのか苦慮されているのではないでしょうか。

直接対面で販売出来ない、つまり訪問できないのであれば、テレビ会議システムを用いたデジタルでの解決方法が、もっとも簡単で早い解決方法です。Zoom や Skype、Microsoft Teams、Google Meetなどのサービスがありますし、PCのみならずスマートフォンなどでも利用することができるため、利用障壁が低いと思います。また、移動に関わる時間や移動コストなどが削減でき、遠方であっても営業活動ができることなどのメリットがあります。

代表的なテレビ会議システム(クラウド版)

とは言え、テレビ会議システムを始めてみると進め方が難しく、成約にいたりにくいケースも出てきています。その原因は、テレビ会議システムに対して不慣れなことです。対面営業と異なり、僅かな遅延、その場の空気感を感じることが出来ないため、発言のタイミング、相手から回答を促す方法など、対面したときとは異なる難しさがあります。ですので、まずはテレビ会議システムそのものへの慣れが必要ですので、まずは社内の会議を全てテレビ会議システムで実施、会議の進め方などをシミュレーションしてみることをお勧めいたします。

その次に、テレビ会議システムでの商談フローや準備するものを整理していくことが重要です。テレビ会議システムの特徴として、提案資料やWebサイトなどを共有することができます。この資料を共有するための操作に慣れることが、商談をスムーズに進めることになります。また、ファシリテーション的な誘導も必要な技能となります。

顧客側も、テレビ会議システムになれていないこと、またテレビを見ているような感じで、一方的に情報を鑑賞するような状況になりがちです。ですので、テレビ会議システムにおいてのコミュニケーションの作り方を考えておくべきです。例えば、質疑応答を纏めて最後におこなうのではなく、細かく区切り質疑応答を積み上げながら、会話の深みを増していくことも商談のポイントになります。

PRTIMES アンケートで浮き彫りになったテレワークの課題
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000023701.html

また、営業担当者による営業活動だけではなく、WebサイトやECサイトなどを活用した営業フロー全体を通じて、商談の可能性と確度を高めていく施策が重要となります。前出の顧客へのコンタクトが決まる前の集客から、顧客への情報提供、興味関心を示して貰うための施策、購買意欲が高まりつつある段階でのインサイドセールスからのアプローチなど、これまで日本のBtoB企業では活用していなかった領域の改革や体制作りが、テレビ会議システムを利用した営業活動の成功ポイントとなってくるためです。

そのためには、コンタクトを獲得するまでのフローにおいて、いかにデジタルを活用していくかが鍵となります。gootbox では、集客からプリセールスまでの流れを整理し、新たな顧客の獲得や商談確立の向上を目指したコンサルティングを行っております。まずは、現状整理し、どこに課題があるのかを弊社コンサルタントを通じて改善策を検討することをお勧めいたします。

課題② 売上減少の中、新たな事業開発が難しい

既存顧客からの受注が大幅に減少している中、新たな営業先を見つけることが出来るかが、現状の経済状況で生き残るための鍵となります。新たな顧客として、既存企業の別部門、関連会社、もしくは全く新規のお客様など、いくつかの営業先が考えられると思います。この中でも、全くの新規顧客を見つけていくことが、売り上げの減少をくい止めるための方法と言えますが、前述のように営業活動に成約がある中、新規顧客をみつけることは至難の業とも言えます。

既にあるリードを活用していくにも、対面営業を前提としていたため、顧客とのコミュニケーションがゼロからになる場合が殆どではないでしょうか。勿論、連絡できる窓口があるだけでも、マシな方かもしれませんが、既にあるリードが想像以上に役に立たないのだとすれば、非常に勿体ないことです。

Webサイトの役割としては、顧客からのニーズから自社サイトへの誘導をおこなうことができることに加え、個々の顧客に応じた情報提供や製品やサービスなどのリコメンド、適正なタイミングでのアプローチをとることが自動でできることが最大の特徴です。これらの行為を見込み客に対して定期的に実施することで、リードの価値が高まることへと繋がってきます。

課題③ デジタルシフトの進め方が分からない

前述した内容を実施するにおいて、多くの企業では、どこからどのように始めればいいのかが分からない、と言う声を多く聞きます。これは、実は致し方ないことで、何故なら前述した内容のことを実施するとなれば、それぞれの分野のスペシャリストを束ねて、かつ貴社のビジネスを理解した上で構築する必要があります。

impress Web担当者フォーラム:稟議申請・決裁はテレワークではムリ? 緊急事態宣言下でも「わざわざ職場に」2割以上【エイトレッド調べ】
https://webtan.impress.co.jp/n/2020/04/23/35859

多くの専門領域に分かれる問題をスペシャリスト集団が解決していく必要があることに加えて、かれらをマネジメントしていく側にもITやビジネス、チームマネジメントの能力が強く要求されます。ですので、プランニングから予算策定、実施に至るまで専門的に取り扱う企業との連携が必須となります。

既に動き出しているBtoB企業

この積極的な投資から、防衛的な投資に切り替わっている中で、体面営業ではなく顧客を広く捉えて営業活動をデジタルで進めて行くためには、コーポーレートサイトやデジタル広告、メールマガジンなどを活用していく必要があります。多くのデジタル施策がある中で、最も効果的に売り上げを伸ばすためのツールは、ECサイトです。

ECサイトというと、コンシューマー向け製品を作っているBtoC企業のためだけのツールだと思われがちですが、実は、BtoB企業においてもECサイトを活用し、新型コロナウイルスによる経済活動の縮小を最小限に抑えている企業あるのです。

下記の日経ビジネスの記事にあるクラフトビールメーカーの京都醸造社です。

日経ビジネス:対面販売は強みから弱みへ、「お店」の新たな価値探るhttps://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00421/

この企業では、元々BtoB企業として売り上げの95%がレストランやバーなどの卸事業でした。ところが、この新型コロナウイルスによる影響でクライアント企業の96%の店舗が臨時休業となり、売り上げが85%も減少する見込みでした。そこで、急遽ECサイトを3月に立ち上げ、消費者向けに自社製品を直販、売り上げの落ち込みを前年同期比で25%に抑えています。

BtoB取り引きとしてのECサイト

企業形態としては、コンシューマー向けの商品を製造販売しているため、toCへの直接販売は自然の成り行きとも言えます。しかし、ビジネス向け製品や半完成品、または素材を提供している企業なども多くあります。このような企業の場合、ECサイトの活用はできないのでしょうか。

ECサイトというと、コンシューマー向け製品の販売サイトというイメージが強いですが、企業間取引における販売サイトとしての活用事例も増えてきています。弊社がご支援させて頂いている日研工業株式会社様の場合、小売店、特に大型スーパーマーケットや店舗向け商材の卸業者へ、店舗ディスプレイ関連の商材を製造販売されております。

日研工業株式会社 ECサイト
https://shop.nikkensp.co.jp/

多くのBtoB企業と同様に営業担当者が顧客企業である大手スーパーマーケットや卸業者へ出向き、商品の説明や出店や店舗改装、または売場改善に伴うディスプレイの提案を行い、商品を販売していく対面営業を行われております。営業そのものは順調に推移しているものの、新規顧客の開拓や他業種への横展開が進んでおらず、スーパーマーケット以外の業種への展開が課題となっています。またサプライ品などの販売が年々売り上げが下がっており、他のネット販売会社にシェアを取られているのではないかという課題がありました。

そこで、自社製品を営業担当者だけではなく、ECサイトという新たなチャネルを作ることで、前述の課題を解決しようと試みています。今回の新型コロナウイルス対策用に飛沫感染防止対策として、販売を開始した対面パーティションの販売が伸びており、これまで新規開拓出来なかったような業種業態への販売へと繋がっています。

このように、ECサイトを活用することで様々な業種業態への展開も顧客自らが検索し、販売しているサイトを見つけ購入していくことに繋がって行きます。コネクションのない業種であっても、インターネットを正しく活用することで顧客を獲得できる良い事例ではないでしょうか。

さいごに

gootboxでは、これからECを事業として取り組まれる予定の企業様に向けて、相談会を随時開催させて頂いておりますので、下記のフォームにてお問い合わせください。

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執筆者
gootbox
デジタルマーケティングアーキテクト
渡部 知記