Labo一覧

【連載】 BtoB企業のためのECの始め方 #03 お客様はどこから来るのか

【連載】 BtoB企業のためのECの始め方 #03 お客様はどこから来るのか

第3回 お客様はどこから来るのか

連載第3回では、ネットではお客様はどこにいて、どのような経路で来るのか、をご説明いたします。

(1) お客様に来てもらうために

集客施策を考える上では、そもそもお客様はどこからやってくるのかを考えることが重要です。これは、接客を伴うようなビジネスであれば、誰でも当たり前のように考えていることで、どこに店を出すのか、どこに広告を投下すべきか、など。一方、ネットのビジネスにおいては、お客様がどこからやってくるのかを考えていない方も多いのです。

リアルの世界と違い、ネットでは場所や人の流れなどがわからないため、ただ、ホームページやECサイトを開設して終わりになりがちです。これは、ジャングルの奥地に店舗を立てるようなもので、誰もいない、誰の目にも止まらなければ、お客様が貴社の製品やサービスを知り得ることができません。

ですので、お客様がどこからやってくるのか、どのような経路で来るのかを理解することが、集客への一歩となります。

(2) お客様はどこにいるのか

ネットで何かを行う時を想像してみてください。何かを調べものをするとき、購入したいものを探すとき、さまざまな行為がありますが、行為ごとに起点となる場所があります。例えば、調べものをしたいときは、GoogleやYahoo!などの検索サイトから調べたい事柄を入れて検索します。日用品を探しているときは、Amazonや楽天のサイトで検索すると思います。

このように、普段ご自身でネットを活用している行為そのものを整理し、理解していただければ、ネットというお客様が見えない世界においても、その足跡を想像することができます。その上で、貴社の商品やサービスを知ってもらいたいと考えた時、どのような検索キーワードを入れて調べられるのか。お客様のビジネス上でどのような課題があるのか、その課題を想像し、自社の商品やサービスを紹介する手立て、つまりコンテンツへと落とし込むことが集客への第一歩です。

(3) 主要な経路

主要な経路は商品やサービスによって異なりますが、ここでは特定の業種を設定せず、主要な経路を大別し整理します。説明を簡易的にするために下記の4つに大別していますが、貴社の製品やサービスによって、どのメディアと組み合わせていくべきか、実際の成果も見ながらトライアンドエラーで構築していくことで、ノウハウがたまり、より集客へと繋げていくことができます。ですので、活用方法などは、あくまでも参考程度に見ていただければと思います。

 

検索サイト

お客様は、何かを調べたいとき、どのようなことであれGoogleなどの検索サイトからスタートします。検索サイトで入力されたキーワードからもっと近しいと思われるコンテンツを検索エンジンがリストアップする仕組みです。

 

Google(検索サイト)

 

この検索結果は、オーガニック検索と言われ検索エンジンのロジックが導き出す結果となっています。SEOなどのテクニックは、この検索エンジンから見つけやすくするためのものです。検索結果には、オーガニック検索に加えて広告枠としてリストティング広告が表示されます。最近では、リスティング広告以外にも、ショッピング広告のようなダイレクトな販売チャネルへの誘導枠などもあります。

 

専門メディア

お客様が検索キーワードで特定の課題を調べる以外にも、業界の最新動向や新製品やサービスなどの情報を得るために、例えば、半導体業界であれば、EE Times、semiconportalなど専門的なサイトに訪問し、知りたい知識やノウハウ、製品情報など、様々な情報を得ることができます。

 

EE Times Japan

 

また、半導体に限らず、多くの業界ごとに専門メディアが展開されています。大手メディアのサブチャネル的な扱いのものもありますし、業界だけでなく細分化された業種やある製品分野に特定したものまで幅広く存在します。

 

販売サイト(商社、モール系)

お客様が特定の商品を購入したい場合は、専門的に扱っている販売サイトにて調べます。半導体で言えば、Digi-Keyであり、130万個の豊富な在庫、グローバルに取り扱っている商品幅の広さなど、国内メーカーだけでなく海外の様々なメーカーの製品と比較し購入することができます。

 

Digi-Key

 

製造現場で言えば、モノタロウやMISUMI-NOVAに加え、最近ではAmazonやアスクルなどが参入してきている状況です。製品を製造している企業は、これらの企業に商品を卸すことで、これらのサイトの顧客すべてにアプローチすることができ、ビジネスチャンスを広げることができます。

 

SNS

Twitter、Facebook、YouTube、Instagramなどのソーシャルメディアは、昨今注目されてきていますが、まだまだコンシューマビジネスが主体となっており、BtoBでの活用は進んでおりません。どのような活用方法があるのか、模索中のところも多いですが、高精細な画像や動画を発信することで、そのコンテンツが伝播する可能性があるメディアなので、その可能性を生かす施策を少しずつトライアンドエラーで進めていくことが将来への大きな投資となると思います。特に動画については、潜在的なニーズも高く、言葉では言い表しにくい機械の動作や特徴などを表現するのには適したメディアであり、かつ顧客企業内においても展開されやすい(しやすい)ので、展示会などの限られた時間の中で、来訪者だけにデモを行うより、より多くの潜在的な顧客にアプローチできると言う点で、非常に価値の高いメディアになっていくものと思われます。

(4) お客様の着地点

お客様は、主要な経路を通じて、最終的には貴社のサイト、または貴社のECサイトへと着地していきますので、この着地の仕方と着地先が非常に重要となってきます。例えば、検索キーワードで、「車 雪道 安全」というキーワードで検索した結果、訪れたサイトが、普通の車のカタログページだとしたら、お客様の目的や期待と異なるため着地したページから離脱されてしまいます。これが、着地の仕方と着地先が重要だという話です。車メーカーであれば、安全に雪道を走るためのテクニックやスタッドレスタイヤの選び方、タイヤチェーンの取り付け方のページへ着地させるべき、ということです。このような事故を防ぐためにも、お客様にはどのようなニーズがあり、それはどの経路を通じて着地する想定なのか、その時に提供すべき情報(コンテンツ)は何なのかを考えていくことで、貴社へのお問い合わせや商談へ繋がる第一歩となるのです。

(5) まとめ

ネットのお客様はどこにいて、どのような経路で訪問されるのかをご説明いたしました。リアルな世界においては、当たり前のように考えることも、ネットやデジタルというキーワードになった瞬間、お客様がどこから来るのかを考えなくなり、思考停止してしまいがちです。ネットやデジタルなどという目に見えないものが、苦手意識を生み出しているのだとすれば、トライアンドエラーで試行錯誤しやすい(失敗したときのリスクが少ない)ので、今すぐにでも始めていくことで他者との大きな差別化になると思います。

 

本記事のまとめ

・お客様はどこにいるのかを考えるべき
・お客様は課題解決するための行動している
・主要な経路は、検索サイト、専門メディア、販売サイト、SNS
・着地の仕方と着地先が重要

gootboxでは、貴社の集客手段を整理し、どのような打ち手が自社に合っているのかを一緒に検討、ご提案、並走していくためのサービスを提供しております。どこから始めるべきか、どのような体制が必要なのか、どのような作業があるのか、成果に結びつけるためのプロセスを構築し、貴社で自走できる仕組みをご提供しておりますので、まずはお問い合わせください。

無料相談お申し込みフォーム

執筆者
gootbox
デジタルマーケティングアーキテクト
渡部 知記