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【連載】 BtoB企業のためのECの始め方 #05 マーケティング部がない企業のための戦略

【連載】 BtoB企業のためのECの始め方 #05 マーケティング部がない企業のための戦略

第5回 マーケティング部がない企業のための戦略

第5回 マーケティング部がない企業のための戦略

連載第5回では、BtoB企業において既存の営業方法からネットを活用していくためには、マーケティング活動が必須となりますが、多くのBtoB企業にはマーケティング部がないため、そのためにはどのように対応すればいいのかをお伝えいたします。

(1) 営業活動の課題

営業活動では、既存顧客への深耕など中心におこなっているのではないでしょうか。長年ビジネスを営まれていると、既存顧客比率が高くなり、営業担当者が主要顧客に多くの時間を費やしています。反面、新規の顧客開拓に時間を獲得することは難しく、既存顧客の経済状態に左右されてしまうことが、経営課題になっている企業も多いと思います。

そこで、新規開拓を選任する部署を作ったり、新規開拓に専任する営業担当者を決め、新たな顧客を開拓に試行錯誤されていることと思います。これまでは、展示会やセミナーなどで新規開拓を行なっていたと思いますが、コロナ禍になり対面で新規開拓をおこなう手段を得ることができなくなりました。既知だとは思いますが、2020年9月に開催された「Japan マーケティングWeek夏」の来場者数を前年比較すると63.1%減という散々たる結果となっています。

参考)展示会、コロナの影響は?withコロナの展示会出展の現状と今後について

https://www.freshtown.co.jp/useful_info/corona-expo/

(2) インターネットへのシフト

対面による営業活動が難しくなる中では、インターネットに注力され始めています。コロナ禍においてBtoB企業が注力したのは、オンライン商談化を筆頭に、自社ウェブサイトの改善やメールマーケティングなどを進めてきております。

出典)マーケライズ社 https://markezine.jp/article/detail/34570

これらは、昨年10月時点での調査ですので、この時点でインターネットへのシフトしてきていることは明らかです。ですが、これまでのように知見のある領域ではなく、ほぼ初めてに近い取り組みで、そもそも進め方すら分からない企業も多いのではないでしょうか。

(3) マーケティングの役割

インターネットを中心に活動をシフトせざるを得ない状況で、多くのBtoB企業担当者は集客の難しさを感じ、色々調べていく中でマーケティングという言葉にあたり、いま脚光を浴び始めているのではないでしょうか。

冒頭でも申し上げたとおり、既存のBtoB企業において営業活動は既存顧客への深耕が中心になっており、新規活動を行うにも営業の訪問先リストも潤沢にないことが多いのが現状です。

マーケティング活動を行うことによって、新たな見込み客が生まれ、そのリストを元に新規の顧客開拓が行えるようになります。マーケティング用語でいうところのマーケティングリードと呼ばれているものです。このマーケティングリードの獲得をどのような手段で行うのかというが、マーケティング活動の主な役割になります。

結果、そこで得られた見込み客を営業に引き渡し、セールスリードとして営業活動を通じて販売を行なっていうのが基本的な流れとなります。また、営業行為の結果、成果に繋がった顧客は既存顧客のリストに入り、失注した場合はセールスリードに戻る、そのような流れを繰り返していきます。

(4) マーケティング部門がない企業の戦略

マーケティング活動の重要性が認識されつつある中、多くのBtoB企業にはマーケティングの部署がありません。ですので、マーケティングに必要な活動は、その内容から複数の部署の担当者に振られて、兼任作業として進めているのが現状です。例えば、広告宣伝は広報部門、ウェブサイトは営業部門がもち、その中の商品情報だけは製造部門が担当する、というようなツギハギのような状態になっていたります。

その結果、機能ごとに役割が各部署に分散してしまった結果、全体目標としての定義がなされていなかったり、それぞれの役割間での情報の受け渡しが分断されてしまい、マーケティング全体で見た時に成果が出せなくなっています。

また、マーケティングの専門家がいないため、得られた知識を元になんとなく進めているために、なんら成果に繋がらない、つまりマーケティングリードの増加に繋がらない施策が多く、予算消化のための活動になってしまっている事例もあります。

専門家がいないため、専門部署を立ち上げることが難しくても、マーケティングリードの獲得のための部門、例えば新規開拓部門などマーケティング活動を完結できるよう、1つの部署に集中的にリソースを集めることが重要です。

1つの部門であれば、マーケティング活動全体の改善が行いやすく、成果として繋がっていく可能性が高くなります。特にコンテンツ制作と広告は対になるものなので、前述のような他部門の担当者が兼任して賄えるものではありません。

ですので、結論としては、マーケティング活動のためにはマーケティング部門の立ち上げが望ましいが、実際には専門家がいないため部門設立が難しいため、新顧客開拓に関する部門にマーケティングの機能を付与する方が現実的な解だと言えます。

(5) まとめ

今回は、BtoB企業においてマーケティング部門がない中、その役割の重要性を理解しつつ、その役割をどこに持たせるべきかを述べさせていただきました。もちろん、専門家を引き入れ、マーケティング部門を立ち上げて進めていくことが望ましいとは思いますが、現実を見据えるとなかなか難しいため、新規顧客開拓の部門にマーケティングの役割を担わせてみてはという提案です。

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執筆者
gootbox
デジタルマーケティングアーキテクト
渡部 知記