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Web Marketingの未来02:  テクノロジーは進んでも、基本は変わらない。なぜ、企業の情報発信は失敗するのか?

Web Marketingの未来02:  テクノロジーは進んでも、基本は変わらない。なぜ、企業の情報発信は失敗するのか?

1.企業における情報発信の難しさ

今回は、現在のトレンドを追いかけるのではなく、企業にとっての情報発信という、基本的な部分について考えたいと思います。

インターネットの拡大により、企業はダイレクトに顧客へのコミュニケーションを行うことができるようになりました。大手メディアを使わず、顧客に直接リーチできることは、コスト削減に繋がると共に、情報を正確に、かつ、これまでよりも頻度多く、届けることが可能となりました。
しかし、メリットとデメリットは表裏一体。
企業は、自社Webサイト、複数のSNSを運用する選択が必要となり、自社のタスクが増えることとなりました。

もちろん、これまで情報発信を行った企業が、いきなり自社サイトを運用することは難しいものです。
ですので、弊社のような企業にご相談いただくことになるわけですが、担当者が、別の事業と兼務だったり、初めて担当する方だったりといった経験は、私自身も多々あります。(中には、極稀に元広告代理店出身から転職されたとても詳しい方もいらっしゃいましたが)
目まぐるしく新技術が登場するデジタルコミュニケーション分野において、専任であってもなかなか情報を追いかけるのは難しく、企業の情報発信にかかる手間は大変大きなものになっていると思われます。

もちろん、スペシャリストを雇えば企業の情報発信は一発で解決するかも知れません。しかし、なかなかそういった人材を見つけることができない昨今において、私は、情報発信の基本について理解を促すことが重要ではないかと考えました。

2.情報伝達が失敗する2つの要因

さて、よくクライアントからのオファーを聞いて、私がどこで「これは、まずいな」と思うのか。
それは、ずばり以下の2つです。
(1)何を解決するための情報発信なのかが不明確
(2)情報設計とデザインを分けて考えていない

(1)何を解決するための情報発信なのかが不明確
まず、そもそもの話として、“なぜ、その情報発信を行うのか?”がブレていると、クライアントが望んでいる効果は間違いなく得られません。
よくあるやり取りが、

企業の担当者「Instagramをやりたい」
私「いいですね。積極的にやっていきましょう。それで、なぜやりたいんですか?」
企業の担当者「今、流行っているから」

となります。決して、流行を追いかけることを否定しているわけではありません。

Instagramの活用などはもっと企業がやるべきだというのが、私の意見です。
ただ、なぜInstagramを使って情報発信を行いたいのか。この点に明確な狙いがないと、効果どころか、そもそもやってよかったのか、悪かったのかを判断することもできません。

こういった問題の答えはシンプルで、手段から入ってしまうと、大抵、目的を見失ってしまいます。Instagramは所詮、手段でしかありません。
Instagramにしろ、Twitterにしろ、手段は“何かしらの物事を解決する”ために用いられます。
しかし、その基本的なことが疎かにされていることが、とてもあります。
情報伝達の基本は、誰に、どのように届けるのかがセットでなければなりません。
ところが、デジタルコミュニケーションにおいては、特に“どのように=手段”の方がクローズアップされがちのため、クライアントの目はどうしてもこの手段にいってしまいます。
ターゲットに対する手段を間違えてしまうと、隣のおばあさんに回覧板(情報)を届けるのに、宇宙ロケットを使って届けているような形になってしまいます。もちろん、これは極端な比喩ですが、私がこれまで仕事をご相談いただくなかで、これくらいターゲットに対する手段がずれていたと感じることが何度もありました。
ですので、ターゲットをきちんと設定し、そのターゲットに情報を届けるための最適な手段は何なのかをしっかりと検討すべきです。

ここで、1つ企業の事例を上げておきたいと思います。
株式会社ローソンのTwitterの使い方は、企業のお手本ともいえる素晴らしいものです。

ローソン公式Twitter

フォロワー約485万人(2020年3月時点)。これは、同業であるセブンイレブンの約329万人、ファミリーマートの約188万人を大きく上回ります。
コンビニ各社Twitterに力を入れている感はありますが、理由としては、
・毎日コンビニを利用する顧客目線での情報発信が必要
・商品点数が多いため、情報発信の頻度を多く、かつ、細かく行いたい
というニーズがあり、それが140文字で情報発信をサクサク行えるTwitterというプラットフォームに向いていたという部分にあるかと思います。
その中でもローソンは特に情報発信が丁寧で、FacebookやInstagramも行っているのですが、それぞれのプラットフォームで掲載する情報が異なります。(もちろん、重複する情報もあります)
これは、前述した例でいうと、隣に住むおばあちゃんのところにこまめに顔を出し、おばあちゃんの様子を把握するなどし、日頃からコミュニケーションを増やすことで関係性を作っておくというイメージでしょうか。

ローソンは、運営に独自のキャラクターを使い、毎日利用する顧客と親しみやすくコミュニケーションを取る方法をTwitterで実現しています。

(2)情報設計とデザインを分けて考えていない
さて、2つ目のポイントです。
ここまで読んでいただいた方には、1つの疑問が生まれているのではないでしょうか?
それは、誰に(ターゲット)、どのように(手段)だけでは足りないのではないか、と。
そうです。足りません。それは、“何を”伝えるかということです。
ただ、この何をという話については少しだけ込み入った話になります。

そもそも、“情報発信”といっても明確な決まりなどがあるわけではなく、方法も様々です。つまり、“情報発信”と聞いても、人それぞれ認識は異なり、企業にとって“何を”伝えるのか。社内でもなかなか上手く調整できないことは多いのではないでしょうか。
そこで弊社のような企業はどういったアプローチを行っているかというと、“情報設計”と“デザイン”をきちんと分けて、企業が伝えたいことを分解、整理していく手順を踏みます。

まず“情報設計”とは、シンプルに企業が伝えたいことです。こう書くと身も蓋もないのですが、論理的に、分かりやすく、テキストや図形を、例えば企業のサービス、商品情報を整理し、サイトなどに配置することを指します。
こちらは、論理的に説明する必要があり、左脳的といいますか。そういったイメージを持っていただくと分かりやすいかと思います。

そして、“デザイン”です。デザインは、ご存知のとおり、デザインであり、例えば企業のサービスはどういったカラーで伝えるのか。あるいは、イメージを伝えるために写真を使うのか、イラストを使うのかといったことも考えます。
顧客がどういったイメージを企業、あるいは、サービス、商品に持つのかを、感覚的に伝えるための手段です。こちらは、“情報設計”に対して、右脳的であるといえるかもしれません。
文字だけだと分かりづらいので、少しイラストで説明すると、以下のようなイメージになります。

さて、上記の話については、改めて聞くと簡単な話に聞こえると思います。
しかし、多くのクライアントのご担当者の方は、Webマーケテイングの経験がないことから問題を混同しがちです。ですので、我々は、問題を “情報設計”で解決すべきか、“デザイン”で解決すべきか整理し、説明させていただきます。

4.gootboxができること

上記に記したとおり、企業の情報発信に関しては、クライアントと寄り添い、並行して考えながら、実現に向けてはノウハウを用いて、しっかりと落とし込む必要があります。
gootboxのWebマーケティングチームに所属するメンバーは、これまで何社ものクライアント様を担当させていただいたメンバーとなります。ですので、情報発信における

1.コンサルティング(何を目的に、どう情報発信を行うべきなのか)

2.制作(情報発信からデザイン、実装・コーディングまでを一貫して担当)

3.運用(コンテンツの更新や効果測定など)

全てに対して、お手伝いをさせていただきます。

gootbox問い合わせ先: https://www.gootbox.co.jp/contact/